1、日本の三徳包丁のグローバル化
三徳包丁は日本で独自進化した包丁です。包丁は古くは1250年に作られた庖丁が奈良の正倉院に収められています。その形は日本刀の形で今現在販売されているものとは形が違います。そこから江戸時代にかけて形が変わっていき、明治時代に入ると西洋文化が入り肉が食べられるようになって牛刀等が日本で使用される用になります。三徳包丁は牛刀と日本の江戸から使用されていた菜切り包丁の特性が合わさり生まれたものです。三徳の意味として、魚、肉、野菜を調理できる包丁で「三つの美徳」のが特徴です。切っ先に反りがみられ押し切りが行いやすい牛刀の特徴と、野菜が断ち切りやすいよう刃先が平で刻み切りしやすいように厚みもある程度薄く軽い特性が受け継がれています。もっと使いやすい小三徳という包丁も出ています。この日本独自で発達した三徳包丁は世界各地で使われるようになりグローバル化が進んでいます。今では逆輸入という形で海外の企業が作成した三徳包丁が日本でも売られるようになりました。もちろん日本でも素晴らしい包丁は生まれ続けています!切れ味抜群の包丁を使ったり、または見てみたり、楽しみ方は沢山あります。一度そんな包丁を購入するのも良いですね。
そんな日本の包丁はその使いやすさから各世界で認められるようになりました。海外の通販等では頻繁に見られるようになったのです。現在ドイツ等でも作製され、日本では作製されなかった形や金属で作られています。海外製品だとタングステンといわれる包丁が有名です。タングステンの特徴として三徳包丁に独特のミゾを付けることによって食材を切った時に包丁につきづらい様にできています。日本でも新潟にある企業が作製しています。そして海外の企業の三徳包丁はデザイン製も兼ね備えてあり、包丁の刃と柄が一体になっており汚れが貯まる角が無いモデルが多く見られる傾向にあります。日本製での似たモデルが増えてきましたが、多くは柄の部分は木製やプラスチック製でビス等で止められているのが特徴でした。柄が一体化しているモデルは同様に金属ですが、金属に凸凹を付けることによって滑り止めの役割を担っています。
2、三徳包丁と片刃について
包丁には大きく分けて片刃と両刃の2つがあります。片刃は、「かたは」と読み、刃がブレードの片面に付いているもので、右利き用と左利き用の2つの種類が存在しているのが特徴です。左利きの場合は、片刃左と言うものがあり、右利き用とは別の位置に刃が付いている包丁になります。尚、このような包丁は、片側のみ刃が付いているため、包丁になれて居ない人など、初心者には使い難い包丁と言えます。そのため、業務用と言いますが、プロ用として利用されるケースが多いのが特徴です。
また、片刃の包丁は、刃の部分が鋼と鉄の二つで出来ている事からも、錆やすいという特徴があり、毎日のメンテナンスを必要とする包丁なのです。職人さんにとって包丁と言うものは、商売道具でもあり、1日の仕事の中で、包丁のメンテナンスと言うのはとても大切な仕事の1つでもあるのです。
両刃と言うのは、両側に刃が付いている物を意味しており、万能包丁や洋包丁などで見られるタイプです。一般的に家庭などで使う包丁は、この両刃タイプになります。
尚、両刃と言うのは、「もろは」と読みます。ところで、三徳包丁と言う包丁の種類があります。
三徳包丁と言うのは、文化包丁や万能包丁とも呼ばれている包丁で、一般的な家庭の中で利用されているものです。三徳包丁には大きく分けて、打ち刃物と抜き刃物の2つの種類が在ります。
打ち刃物と言うのは、軟鉄とハガネを専用の炉で熱してから、ハンマーで打ち、形状を作り上げる製法です。真っ赤に燃えた鋼材をハンマーで叩き、それを再び炉の中に入れ、刃を作り上げるという、日本の伝統の ある製法と言えます。それに対して、抜き刃物と言うのは、金型を使って作り上げる製法で、三徳包丁の中でも一般的な製法と言えます。金型の中に包丁の材料を入れて、プレス機で包丁の形に抜き取り、ゆがみやひずみを修正した後、焼入れをし、最後に研磨を行うと言う製法であり、大量に製造できるというメリットがある製法です。